というわけで予想外によかったのでプチレビューでも。
※以下、気をつけてるつもりだけどネタバレありなんだぜ!

制作は『無双』シリーズでお馴染みのω-force。
コーエー作品だけど、ストラテジーとも違うし、勿論アクションでもなくて、一言でいうなら歴史AVG。
まあ『ポートピア連続殺人事件』みたいなもの。
古い? ねえ、例えが古い?
…今風にいうとコーエー版『逆転裁判』と理解すれば、わかりやすいかも。
ゲームの目的は「関ヶ原の合戦」に勝利すること。
主人公は西軍を率いる石田三成さんです…
この時点でω-forceのマニアックぶりが発揮されてますね。
ちなみに俺がこのゲームに興味をもったのは三成の親友の大谷吉継が大好きな武将だから、という単純な理由。
逆転裁判風、というのはゲームが会話中心のAVGであることと、キャラクターのグラフィックの雰囲気やアニメーションなんかが似てる為。
俺は逆裁シリーズをあんまりやってないので詳しくは分からないけど、ファンの人ならよりそーゆーとこは気になるかもね。
相手を心理戦で追い詰めていって、説得するという何だか戦国時代らしからぬゲーム。
そういや三國志でも舌戦とかあったよね…
一応戦争部分(合戦パート)もあるにはあるけど、ほとんど自分で動かせるところはないと思っていい。
指揮といっても、パズル要素って感じのちょっとしたもの。
何度も言うようだけどストラテジーとは違って、これは完全なアドベンチャーゲーム。
ゲームの内容の方は、まずボリューム的にはあまり大きく(多く)ない。
実際俺も1週間ぐらいでクリアーしたけど、早い人なら2、3日で終わるみたい。
歴史ゲームっていう事だけど、それほど歴史なんか知っていなくても、中学日本史レベルの知識さえあれば入っていけるとは思う。
ストーリーは意外と史実通りに進むな、といった印象。
もちろんゲーム的な演出とかあるし、後半になるに連れてオリジナルな展開には段々なっていくけどそこまで破綻はしてなくて、世界観ぶち壊しってわけでもないから歴史好きも一安心。
ただゲームとしては、お話を追っていくだけで、分岐もほとんどないし、エンディングなんかも(おそらくは)それほど多く用意されていなので、何度も楽しめるってものではないと思う。
熱中度、ハマリ度といったところもあんまり……
登場キャラの性格とか人物とか見た目はまあ、こういうゲームなので気にしないでください。
まず三成が熱血漢で、友情、努力、勝利みたいなノリでちょっとひくけど…
典型的な主人公というか、ヒロイックの王道チックな感じチックなので、一般的な石田三成像はこの際、捨ててしまおう。
別に俺は石田三成がキライじゃないけど(むしろ好き)、ちょっとクセがあった方がキャラとしてはおいしいと思うからね。
ただそんな三成君にもひとつイイところというか、特殊な能力が!
彼、人の心が読めます。
簡単にいうとニュータイプです。
三成「なんか あたしの中に人がいっぱい入ってくる」
たま「この子は戦場のすべての動きを感知している」
みたいな。
まあこの三成さん、指揮官というより、なんだか心理学かじってそうだったり、セラピストっぽかったりします。
ここらへんは知将・三成っぽいイメージかも知れないけど、実際の彼は、空気が読めず、他人の心がわからず、しかも策士や悪人にはなりきれない中途半端な義の人だったと思う。
そこが人間としては魅力的だけど。
三成「いうなれば 人間の心の病気をなおす医者なのです」
そういう部分さえひっかからなければ、十分に楽しめるんじゃないかなと。
今時はもうコーエーの歴史モノっていってもユーザ層が限られてくるってわけじゃないし、『蒼天航路』とか無双シリーズとか『戦国BASARA』とかのおかげもあって、むしろそういった女子供の皆さんの方がメインターゲットじゃないかなと思う。
腐女子の方々は三成×大谷にでも萌えてください。
最後に俺個人の評価としては80点。
まず歴史好きということで+20点。
西軍陣営視点ということで大谷さん好きなので+20点
あとはコーエー(ω-force)がこういった作品に挑戦してきた意味でも+10点。
あ、これじゃあゲーム単体としては30点になってしまった…
もうちょっとボリュームがあって、もうちょっと自由度(特に戦闘)があって、もうちょっと難易度が高めで、もうちょっと分岐などが多くて、地味なワキ役武将達のグラフィックが使いまわしじゃなかったら、たぶん名作の仲間入りだったのに!
今の段階でどれぐらい本数が出てるか調べてないけど、ある程度売れるならこれはシリーズ化して欲しいところ。
歴史モノのAVGってことで実験的なタイトルだったと思うし、昔の光栄ファンとしては『太閤立志伝』みたいにちょっと異質な作品になることを期待。
まあイジワルな言い方すれば『逆転裁判』とか『レイトン教授』とかハヤリモノのパクリですけどね!
AVG自体が携帯ゲーム機向きなので、いいぞ、もっとやれってことで。
(主要キャラ紹介)

石田三成。『采配~』の主人公であり自キャラ。
西軍の指揮官であり、実質的なリーダー(総大将は毛利輝元)。
何か見た目から三成っぽくなくてカッコイイよねぇ。
人徳はないに等しいが、少ないながらも優秀な部下や友に恵まれている。

島清興 aka 左近。三成に過ぎたる者といわれた名将。
『采配~』では渋いおっさんキャラとして登場。
頼りない主君・三成の守役として、また歴戦のツワモノとして活躍してくれます。
口は悪いが憎めない、豪快なジェイガンといったところ。

たまき。某武将の娘で本名はおそらく珠。史実では柳生家に嫁いでいます。
『采配~』では三成にたまと呼ばれ、猫扱いされる女の子。
明るい性格で落ち込む三成をいつも励ましてくれます。
一緒にいるペットのねずみは梅だいふくで、非常食らしいです。

宇喜多秀家。西軍の副大将であり、宇喜田家を10歳ぐらいの若さで継いだ坊っちゃん。
秀吉にかわいがられ「秀」の一字を貰い、豊臣一門となる。
『采配~』でもエリート武将として描かれていて、西軍の主力を率いて活躍。
無駄にナルシストなので、ピノキオのように鼻が伸びたりします。

福島正則。豊臣恩顧の武将で、賤ヶ岳七本槍の一人。いわゆる武断派。
関ヶ原では東軍に所属して先鋒を任されたりしてます。
『采配~』でも三成憎しの思いからやたらと突進してくるけど、その風貌どおりの猪武者っぷりを発揮。
アルデバラン様みたいなもんですね。

井伊直政。徳川四天王の一人。後に江戸幕府で大老職を何名も排出する名門・井伊家の祖。
井伊の赤鬼、赤備えといえば有名ですが軍事、政治、外交すべての能力が高いマルチな名将です。
『采配~』ではやたらと正義超人で、家康の為には何度でも西軍の前に立ちはだかるシツコイお人。
まあ家康とはアッチの関係だったともいわれているので、あながち史実から遠いわけではないかも。

小西行長。三成と同じく文治派の代表格の人物。
豊臣政権下(船奉行)で強力な水軍を率いていた武将のはずですが、なんだか情けない感じに。
文治派と元は堺の商人の出というイメージからか『采配~』では、算盤片手に完全になにわのあきんど。
自らの利益の為にならがんばってくれるようです。

田中吉政。都市設計のスペシャリストで、三成とも仲の良かった内政の人。
秀吉の甥の秀次に仕えていたが、お馬鹿な主君があぼーんした際に大名に。
関ヶ原では東軍につき、『采配~』ではなぜかお勝の方と一緒に現れる事が多い。
三成とは戦いたくないという優柔不断な性格っぷりで西軍をアシストしてくれてます。

お勝の方 aka 英勝院。家康後年の側室の一人。
残念ながら授かった女の子は若くして亡くなるのですが、聡明な女性として人気が高い。
『采配~』では数少ない女性枠として東軍の将(盛り上げ役)として参戦。
家康の為なら何でもします、たぶん。

細川ガラシャ。本名は明智玉/珠(たまきとは別人)。明智光秀の娘で、細川忠興の正室。
悲劇のヒロインとしても有名な女性で、クリスチャン、美人、嫉妬深い旦那、とドラマ性は十分。
史実では西軍方の人質になることを由とせず、その生涯に自ら幕を下ろします。
『采配~』でも幸薄そうな人物として描かれていますが、何やら後ろに花が…

細川忠興。幕臣・細川幽斎の息子であり、妻はガラシャ。
戦功も素晴らしいが、風流人としても有名でしかも男前と評判の名将(これなんて明智光秀?)。
足利家、織田家と仕える武将を変え、明智光秀が本能寺の変を起こした際には、義父には協力せず。
やがて秀吉に仕えるが、その死後三成派と対立して家康方につき、関ヶ原では東軍として参加。
『采配~』でもガラシャを死に追いやった三成のことを激しく憎んでいます(風貌はなぜか吸血鬼風)。

小早川秀秋。関ヶ原を知らない人でもこの武将の名前は知ってると思われる裏切り者キャラ。
ねね様の甥っ子で、秀吉の養子として一時期後継者になるも、秀頼誕生後は小早川家に。
『采配~』ではごらんのとおりのショタです、ショタっ子です。
存分に萌えてください(あんまり出番はないけど)。

大谷吉継。秀吉に「百万の兵を与えて指揮させたい」といわしめた名将。
病をおして負け戦へ赴き、友の為に義に殉ずる姿はもっと評価されるべき。
『采配~』でもほぼ従来のイメージどおりに、ダメな三成を助ける親友として、また西軍の良き相談役として活躍してくれます。
このゲームでは三成=孫策、吉継=周瑜といった感じに描かれてます。

藤堂高虎。主君を次々変えたことで、評判の悪い人、でも名将。
仕えていた秀吉の死亡後は徳川の為に尽くす。
『采配~』では東軍のキーマン(イイキャラ)の一人として登場。
見た目同様、策略、計略なんでもござれの狡賢い忍者君です。

はつ。三成の美人侍女。
史実にその名前があるかは知りません。
『采配~』では数少ない女性キャラとして登場。
他にはたまき、お勝、ガラシャ、淀殿ぐらい。

島津豊久。名門島津家の一門で、義弘の甥。
関ヶ原では叔父と共に西軍に参加。
『采配~』では見た目どおりのコワモテかつ、頑固な性格で三成を悩ませます。
お家の為になら命も投げ出す覚悟は素晴らしいけど捨て奸は…

島津義弘。島津の17代当主であり、通称鬼島津と呼ばれた苛烈な名将。
関ヶ原の参戦は元々用意していたものではなかった為に、少ない兵、しかも西軍に味方する義理もないので積極的には戦わず。
『采配~』でも怖そうなおじさんとして登場。
連れている猫の名前は鬼ぼんたん。

本多忠勝。左近と同じように、こちらは「家康に過ぎたる者」といわれている猛将。
井伊と同じく徳川四天王の一人で、戦で傷を負ったことがないという伝説の持ち主でもある。
『采配~』でも最強の敵キャラとして描かれています。
まあ許チョとか典韋とかああいったイメージです。

黒田長政。秀吉の軍師として名高い黒田
父から家督を継ぎ、豊臣家臣の中軸として活躍し、秀吉死後は三成派と対立して家康の養女を妻にするなどして関ヶ原では東軍に参加。
ちなみに関ヶ原では東軍で一番の武功を挙げ、出世します。
『采配~』ではそれほど武勇に優れた様には描かれていないけど、なかなか味のある賢い武将です。

池田輝政。東軍のアーマーナイト。
防御力は999。

毛利秀元。元就の孫にあたり、従兄弟の輝元(総大将)の名代として関が原に参加。
関ヶ原では西軍の主力を担うも、諸事情から動けぬまま時が進んでいくという悲しさ。
実際は名将だったようですが『采配~』では情けない暗愚キャラとして登場。
ただ段々と本当の姿に近づいていく気がします。

安国寺恵瓊。毛利家の外交僧であり、僧侶大名。
毛利家に仕えながらも秀吉の相談相手としても重用され、秀吉死後は三成と通じて毛利輝元を総大将に担ぎ上げた裏のフィクサー。
『采配~』ではそこまで賢くは描かれていないけど、毛利軍では頼りになりそうな人物。
一蓮托生の精神でがんばってください。

吉川広家。元就の孫にあたり、吉川元春の息子。
毛利家の家老だが総大将の輝元や名代の秀元とは従兄弟の関係に当たりその影響力、発言力も強い。
西軍として参加した毛利軍を動かさなかった事で悪人のように思われているが、実際はお家の事も考えていた名将だと思う。
『采配~』ではなぜかリーゼント頭で、ヤンキーのように上司を威嚇したりする。

本多正信。家康の参謀で初期の江戸幕府を支えた老中。
『采配~』でも「ローレン ローレン ローレン」な人物として登場。
しかしどう見ても蒼天航路に出てくるエロ宦官の張譲に見えるのですが、気のせいでしょうか…?
元が鷹匠ということでタカを連れてるけど、これも若かりし時の曹操を思い出した。

徳川家康。東軍の総大将であり、後の征夷大将軍。
特に語ることもないですが、ボスキャラって感じです。
